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能の雑学・豆知識 TEXT:新城 健一 2004.04.24

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日本の伝統芸能としての能
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仮面劇としての能
舞台装置からみる能


【日本のことばとしての能】

リハーサルを「申し合わせ」と言うように、能の言葉には、現代の日常の言葉として使われるものがいく つかあります。

言葉の意味を大辞林からひろってみます。

●申し合わせ(もうしあわせ)

辞書によれば、「話し合いによって決めること。また、決めた約束」とあります。

能楽用語では、リハーサルのことを言います。
リハーサルは、予行演習を行い、出来の良し悪しを論ずる場です。
予行演習の目的は、話し合いによって舞台を良いものとする方法を確認し、それを本番で行なう約束を することなのですから、これを「申し合わせ」と呼ぶのは、実に正しいことなのかもしれません。

●打ち合わせ(うちあわせ)

辞書によれば、「事前の相談。下相談」とあります。
仕事での打ち合わせは、とても日常的なことです。

能楽用語では、楽器担当の囃子方やコーラスの地謡が、セッション形式で練習することを言います。

能楽の楽器は、笛以外は、鼓や太鼓など、打楽器が中心です。
打楽器は打って響くもの。互いの音を響かせ合うことが、打ち合わせです。

そう考えると、ただの連絡会議は打ち合わせではなく、意見が響き合わない沈滞した会議も打ち合わ せとは言えないものかもしれません。

●出勤(しゅっきん)

辞書によれば、「勤めに出ること」とあります。
能楽用語でも、舞台に立つことは勤めであり、会社と同様に出勤と言われます。
そして、ギャランティー(報酬)のことを、「出勤料」と言います。

会社に勤めに出ることを出勤と呼ぶのは、もしかしたら能楽用語から生まれた言葉なのかもしれません ね。

●ノリ

「ノリがいい」「ノリが悪い」という言葉は、日常でも耳にします。
能楽用語ではリズムの取り方を、ノリと言います。
そして、リズムがうまく取れれば「ノリがいい」となり、うまく取れなければ「ノリが悪い」となります。
大辞林にも掲載されていないスラングのような言葉ですが、実は能楽用語なのです。

●番組(ばんぐみ)

辞書によれば、「放送・演劇・勝負事などを構成する、一つ一つの出し物、およびその順番。また、そ れを記した表。プログラム」とあります。
能楽用語でも同様に、演目や出演する能楽師たちの名前などが記されたものを「番組表」と呼びます。

●見所(けんじょ/けんしょ)

辞書によれば、「芸の見るべきところ。みどころ」とあります。
それと同時に「能楽堂などの見物席。また、そこで見る人」とあります。
能は、そのすべてが「みどころ」なのかもしれません。

●桧舞台(ひのきぶたい)

晴れがましい立場にあるとき、またそうした場面に立つときに「桧舞台に立つ」というような使い方をしま す。
能舞台が、まさに、桧で作られた舞台でした。
能舞台に上がるような場面を表している言葉なのでしょう。

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