トップ

能について

能を観に行こう

能の歴史

能の演目・物語

能面・装束

能楽師

能楽堂・公演スケジュール

能を体験したい習いたい

イベント・薪能 

本・テレビ・動画サイト

関連サイト

団体・協会

バックナンバー

問い合わせ

小学生も大人も大喜びで能に夢中!
『能ワークショップ』が開催 TEXT:新城 健一 2004.0525

TOPICS

謡の体験
舞の体験
クモ糸を投げる体験
能のチャンバラ体験
参加者の声
次回への想い
保護者の方へ


■参加者の声

NHK教育テレビの『にほんごであそぼ』が大好き、という小学一年生の男子は「“じゅげむ”をやるのかと思ってたけど、こっちの方が面白かった」と喜んでいました。

また、母親が野村萬斎氏のファンで、狂言はたまに観る、という18歳の男子は「舞の型の意味がわかってから観ると、面白さがぜんぜん違う」と、能に興味を持ったようです。

参加されたお父さんは「子供と一緒に能を観に行きたい。演目を選べば、子供でもまったく退屈しないと思う」と語っていました。

■次回への想い

講師を担当された工藤氏は、前回と今回のワークショップをふまえて、次回への想いを次のように語ってくれました。

「思った以上に、熱心な参加者ばかりで驚き、また嬉しく思いました
今年は動きのあるもの、謡や舞の形を具体的な意味で理解しやすいものを選びました。

小さな子供は、意味の説明など不要で、オウム返しのように、体験を通してどんどん学んでいけるのです。
でも、ある程度成長してしまうと、理屈で理解しながらでなければ、先に進めません。
親と子のワークショップということで、そのバランスに、いつも心を配ります。

能の中には、失われてしまった日本の日常の動きがあります。
すり足や扇を持つことも、そのひとつ。
今は、親の世代でも、扇を持ったことのない方もいます。

この『能ワークショップ』は、そうした日本独特の生活の中の行動の体験もできる場になっていると思います。

来年は、もっとワークショップとして踏み込みたい。
基本の型をいくつか覚えてもらってから、その組み合わせで、自分なりの能の舞を組み立ててもらうというのも面白そうだと思います」

こうした工藤氏の想いを聞くと、次回もまた楽しめるものになると思えました。


▲子供たちに、手取り足取り、能の型を教えている工藤氏。

■保護者の方へ

かつて、日本人は、とても融通の利く人間だったようです。

たとえば、能の謡本に「日本゜」と書いてある個所があります。
これは「ニッポン」と読ませるために、漢字に「゜」を付けているのだとか。
こうした、本来付くはずのない文字に「゜」や「゛」を付けて、後世に読み方を伝えようとしていたそうです。

バイ2」と書いて「バイバイ」と読む女子高生と同じようなもの。
明治時代に入って、送り仮名や書き順まで国が決めて押し付けるようになって、日本人は固くなってしまった、と工藤氏は語ります。

日本の古典は固い、古臭くて地味、というイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
能には、日本文化のエッセンス、日常生活のたたずまい、立ち居振舞いがあります。
音楽ファッションと、能から広がる世界があります。
古典文学日常で使う言葉の由来を知ることができます。

この広がりこそ、子供から大人まで楽しめる、能の魅力のひとつなのでしょう。

最後に、工藤氏は、こう語っていました。

「親子で一緒に、能から広がっていく世界を楽しんでください」


▼企画意図などはNPO法人せんすのサイトにあります。
能ワークショップ

▼前回のイベントレポートはこちら
『星の輝き 船橋能楽の夕べ』を観て

Copyright(c) 2004 NPO Sense All rights reserved.