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能は、何に似ている? Vol.1
能楽堂とディズニーランド TEXT:新城 健一 2004.11.03

■日常を忘れられる場所

国立能楽堂の正面入口から能舞台までのアプローチは、長く、曲がりくねっています。

能楽堂の中庭
能楽堂の中庭。中庭には苔が敷き詰められている。京都から運ばれてきたもので、都内の湿度では生育が難しいらしく、年に一度は張り替えているそう。
正面入口から入ると、中庭に面したガラスが正面奥にあり、右手に受付があります。
受付を抜けると、右手にミュージアムショップならぬ土産物屋があり、通路は突き当たり、左に折れます。

左の通路へ向かうと、左手に中庭が見え、自由に中庭へ出られます。右手には、天井の高いホールが広がっています。

ホールには太くて丸い柱が数本立ち並び、太い梁を支え、大きな天井を支えています。見上げると細かい格子が天井近くの壁面に設えられており、その精巧な木製細工に囲まれているうちに、和の世界に包まれている感覚を覚えます。

ホールの右手奥から左に向かって、橋が架けられ、スロープとなっています。
ホールからさらに奥へ続く通路は、ホール床よりも高くなっています。そのため、階段かスロープのいずれかを選べるようになっているのです。

テキスト
照明によって浮かび上がる能舞台。建物の中に建物がある。その存在感は、リアルな異空間という感覚を抱かせる。
ホールを抜けると左右に通路が別れています。
左へ向かうと通路は右へ折れ、右手の壁に脇正面中正面と呼ばれる座席への扉があり、左手にはソファが置かれています。
右へ向かうと左へ折れ、左手の壁に正面中正面と呼ばれる座席への扉があり、右手に休憩所と能舞台を映し出しているモニターがあります。
通路はさらに続き、突き当たりのモニターがあるところで左に折れ、左手の壁際にソファが置かれています。

そして、正面席へと向かう扉から入ると、そこに能舞台がひっそりと建っている様子が見えます。

長いアプローチによって引き上げられる、非日常感。

入口から能舞台まで歩く間に、能楽堂自体の異空間感覚によって、日常とは違う感覚が目覚めていることでしょう。
その「能楽堂的感覚」とも言える高揚した状態で見る、生の能舞台
どきり、とする瞬間です。

その、非日常的感覚が、日々の雑事を忘れさせ、通常の時間感覚を失わせ、大人の心をワクワクさせてくれるのでしょう。

こうした心の高揚感は、ディズニーランドなどの良質なテーマパークを訪れたときのものに似ているのかもしれません。


■国立能楽堂は見学も可能

能楽堂に行ってみたいという方は、国立能楽堂へ見学を申し込むことも可能です。

能楽堂のスケジュール上で対応が可能な日(原則として平日)に限られますが、営利目的ではない一般の方の見学ならば、無料で対応してもらえるそうです。

少人数のグループで無人の能楽堂を楽しんでみませんか?


■問い合わせ先

国立能楽堂管理課
03-3423-1331(代表)


▼関連情報

能は、何に似ている?Vol.2 『能楽とトランス・ミュージック』(記事)

能楽堂・公演スケジュール』(リンク集)

国立能楽堂二十周年大改装『能舞台を守る男たち』(記事)

国立能楽堂(日本芸術文化振興会)』(外部リンク)


▼前回の記事はこちら

唐突に始まって終わる観能フローチャート『能の舞台の展開』(記事)

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