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撮影:森田 拾史郎
TEXT:新城 健一

痩女(やせおんな)

やつれ果てた中年の女の面。

顔の肉が削げ落ち、骨と皮ばかりになった姿。皮膚を通して骸骨が見えるようです。

これは、死んだ後に地獄へと落ち、限りない苦しみを味わう女の姿なのです。

『求塚(もとめづか)』という演目は、生前、二人の男に求愛され、いずれかを選ぶことができず、どちらをも拒み死んでいった女が地獄に落ち、その苦しみに耐えかねて亡霊となって現れ、坊主にすがるという物語です。

痩女の落ち窪んだ目は、苦しみの中で、はかない希望を見つめているのかもしれません。


代表的な使用演目
砧(きぬた) 求塚(もとめづか)
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